アオミドロと表層剥離の発生機序を調べてみた
みなさん、こんにちは。広報担当のフジタハルキです。
さて、今年は暑い日が続き、田んぼには藻類のアオミドロ(またはアミミドロ)と表層剥離が多発しています。
雨が降ってしまえば、勝手に治まるし、大して問題にならなそうなので、5月中はあまり気にしていませんが、
こうも雨が降らないと、中期除草剤降る時に邪魔になるし、雑草の生え方が見難かったりと、邪魔だな~と思っていました。
このアオミドロに効果のある除草剤も実はあるんです。
有名なところではACNという成分が入ったこの二つ。
他にも、農協さんの方で販売している?のかは分かりませんが、「田んぼの鉄人」というのもあるそうです。
まぁ、アオミドロや表層剥離を綺麗にするのに、わざわざ薬を使うのも…って方もいらっしゃると思います。
そもそもアオミドロや表層剥離ってどうやって発生するのか実はご存じない方もいらっしゃると思うので、ちょっと説明を。
アオミドロって何?
藻類のなかでも、藍藻類に属します。
結構緑なやつです。
こちらの写真で水面に浮いている緑のやつがアオミドロです。

で、アオミドロが発生しやすい環境でどんなだろうと思って調べたところ、
こちらの資料を見つけました。”学内ビオトープ池におけるアオミドロ発生抑制に関する研究”
水温と水中のリン溶存量と日照時間の3要素が繁殖に関わっているそうです。
水温は25~35度、リン溶存量は0.02mg/l 以上、日照時間は8時間/日 以上。
田んぼだったら容易に繁殖しますよね。
最近は水温測ると日中は30~35度。夜間は25度程度なので、ピッタリです。
日照は日の出から日の入まで大体14時間位はあるので、バッチリです。
リン溶存量は測ってないので分かりませんが、毎年リン酸もバッチリ入れているので、おそらく十分でしょう。
というわけで田んぼではアオミドロ発生しやすい環境なんですね。
※追記 リン酸だけでは不十分で当たり前ですがやはり窒素分も必要ですね。今年弊社で試験しているバケツ苗では、無窒素・リン酸カリ施肥区ではアオミドロが全く発生しませんでしたが、窒素施肥区は発生しています。
表層剥離の発生機序は諸説あります。
①水田中の未熟有機物の分解などにより硫化ガスなどの気体が発生。その浮力により作土の表層が剥離する。
②代かきで撹拌された土壌粒子に微量の藻類が混ざり、土壌粒子を凝集。さらに藻類が繁殖し、光合成をすることで酸素が発生。酸素の浮力により表層が剥離する。
②に関してはこちらを参考にしました。”水田における表層剥離の発生機構”
さて、それではどうしたら良いのか。
原因別に考えてみましょう。
① 藻類に適応のある除草剤を使用する
最初に上げた、モゲトンやアークエースが藻類の発生には効果があると思いますが、他にも初中期一発剤などで適応がある製品はいくつかあります。(この記事は効果を保証するものではありません)
② 水をかけ流しにする
かけ流しにして水温を下げたり、リン溶存量を下げれば発生は抑えられそうですが、水が少なかったりすると、迷惑がかかるので現実的に難しい場合もありますね。
③ 干しちゃう
水を抜いて、藻類を撃退する!という方法もあります。
④ マツの枝を水口に差す
どなたかやっていたら効果のほどを教えて頂きたいんですが、現代農業2014年5月の記事にこんなのが載っています。
これだったら、薬を使いたくない方にもおススメ出来そうです。ただ、途中で発生した藻類を消す効果はないそうなので、田植直後からやっておく必要があるみたいですね。
① 秋耕起をする
これで残った株などの未熟有機物を少しでも・・・と言いたいところですが、稲わらの分解は到底1年では出来ませんので、春の耕起を秋にしたからといってなかなか変わるものではありませんが、
稲刈り後の早い段階で10月中か11月上旬にやってしまうと多少効果はあるかもしれません。
② 有機物を完熟堆肥にしてすきこむ
これも大事です。特に自家堆肥を使用する場合は特に大事です。
③ 土壌に鉄分を多く入れる
土壌中の遊離酸化鉄が多いと硫化ガスの発生は抑制されます。すなわち、土壌中に鉄分を多く入れることでガスが発生するのを抑えることができます。
というわけで、原因別に対処法を書いてみましたが、
個人的に一番気になるのは、マツの枝を使用して藻類を抑制する方法です。
枝を水口に入れておくだけで藻類が撃退できるなら安いもんです。
効果が確認できたら、カネダイでもマツの木を栽培する…なんてこともあるかもしれません。笑
それでは、今回も最後までお読み頂きありがとうございました!!
追記 H29.6.9
今年の除草剤散布にとっても役立ったのが農業用ドローン(マルチコプター)。
アオミドロが出ているところにジャンボやフロアブルはできない…けど粒剤は散布するの大変だし…
という場合におススメです。
ドローンの風圧で表層にあるアオミドロなんかは結構ばらけますし、狙ったところに粒剤を落とせるので、
とてつもなく便利でした。
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